サリー(Saree / Sari)は、インド亜大陸の女性が着用する伝統的な衣装で、裁断も縫製もしない一枚の長い布を体に巻きつけて着ます。長さは約5メートルから、地域によっては9メートルにも及びます。内側には「ペチコート」と呼ばれる巻きスカート、上半身には「チョリ(Choli)」と呼ばれる丈の短いブラウスを合わせるのが一般的な着方です。
使われる素材はシルク、コットン、シフォン、ジョーゼットなどさまざま。織り方や染色技法、モチーフも州ごとに大きく異なり、まさに「インドの多様性を映す布」と言われています。結婚式などの晴れの日には金糸・銀糸を織り込んだ豪華なシルクサリーが、日常には軽やかな綿サリーが選ばれます。
写真だけでは伝わりにくい「布の動き」「体へのなじみ方」は、実際に着ている姿を見るのが一番。地域も年代もさまざまな女性たちのサリー姿をご紹介します。
インド各地には、その土地の気候・宗教・王朝文化を反映した独自の織物があります。ここでは特に有名な10種類のサリーをご紹介します。
金糸・銀糸(ザリ)を贅沢に織り込んだ、最も格式高い花嫁サリー。1着の完成に数週間〜数か月を要することもある最高級品。
「サリーの王様」とも呼ばれる厚手の絹織物。境界(ボーダー)部分に寺院建築を思わせる幾何学模様が織られるのが特徴。
経糸・緯糸の両方を先染めする「ダブル・イカット」技法で織られる、世界でも稀な絣織物。1枚を織るのに数か月〜1年かかることも。
孔雀やロータス(蓮)のモチーフが特徴の絹織物。マラーター王朝の宮廷衣装がルーツで、鮮やかな色使いが魅力。
布を糸で細かく絞ってから染める「絞り染め」技法。小さな水玉模様が連なる、明るくポップな印象のサリー。
手織りの薄手モスリン生地に、文様を一つひとつ手作業で織り込む繊細な技法。ユネスコ無形文化遺産にも登録。
絹と綿を混ぜて織る、透け感のある軽やかな生地が特徴。上品な光沢があり、オフィスやパーティーにも使いやすい一枚。
軽くて通気性の良い手織り綿サリー。派手すぎない縞・格子・小紋柄が多く、蒸し暑い気候でも快適な日常着の定番。
薄く柔らかい化学繊維・シルク生地を使った軽量サリー。体に美しく沿うドレープが出やすく、パーティー用として人気。
肌触りが良く洗濯もしやすい、インド女性の普段着の定番。プリント柄からブロックプリント、手描き染めまでバリエーション豊富。
初めてサリーを購入する方が失敗しないための、4つのチェックポイント。
結婚式・パーティー用なら光沢のあるシルク系、普段使いやコスプレ・写真撮影用ならコットンやシフォンが扱いやすくおすすめ。
本体布のほかに、ペチコート(インナースカート)とチョリ(ブラウス)が必要。セット販売かどうかを事前に確認しましょう。
サリーはピンを使わずに巻く伝統的な着方が基本。購入前に着付け動画などで手順を確認しておくと安心です。
刺繍やザリ糸が入った高級サリーはドライクリーニング推奨。シンプルな綿サリーは自宅の手洗いでも扱いやすい素材です。
「本場インドから輸入したい」「まずは実物を見てから選びたい」という方向けに、日本国内でサリーを取り扱う代表的なショップをまとめました。